アンパンマン福祉論
多くの子どもが通る道であるアンパンマン。国民的ヒーローと言っても過言ではないでしょう。アンパンチによって悪を成敗し、泣いてる子どもへ自分の顔を千切って食べさせます。アニメの中でも、現実でも、多くの人から好かれる人気者です。
そんなアンパンマンですが、原型となった「アンパンマン」をご存知な方は少ないのではないでしょうか。
初代アンパンマンは冴えないおっさんだった
原型となったアンパンマンは、アニメのアンパンマンのようなマスコットキャラクターではなく、汗だくで太ったこげ茶色のマントを羽織ったおじさんです。
ヨロヨロとどうにか空を飛び、他のヒーローにからはニセモノだと後ろ指を指されます。子どもからも馬鹿にされ、ソフトクリームの方がいいとすら言われます。
ヒーロー「アンパンマン」
そんなアンパンマンですが、誰になんと言われようと使命は変わりません。泣いている子どもの元へ飛んで行き、アンパンを届けます。
お話の最後では戦争による飢餓に苦しめられている子どもたちの元へアンパンを届けた際、飛行機と間違われ打たれてしまいます。
アンパンチが打てるような強い力があるわけではありません。バイキンマンという悪と直接戦い、勝つわけでもありません。しかし、もう最後かと思うとき、アンパンを持って空の向こうに現れたアンパンマンは子どもたちにとってまさしくヒーローだったでしょう。
かっこいいってなんだろう
リスクを考えない、自己犠牲に近い原作アンパンマンの姿勢は現代社会では評価されるものではありませんが、「お腹を空かせた子どもたちのために」という行動理念を貫き通す様はとてもかっこいいと思いませんか?
多様な文化により「かっこいい」の概念は様々な形を持つようになりましたが、この後ろ指を指されるダサい格好のおじさんは「かっこいい」と思わせるような魅力があります。
世の中について考える中で何が正しいのか悩む時が多々あると思います。そんな時、アンパンを配るおじさんが僕らに答えを示してくれる事があるかもしれません。
(from SAKURAI)
1993年生まれ、兵庫県神戸市在住。社会福祉士。平成生まれのゆとり世代として、どうせ暮らすならいい世の中にしたいと思う。尿酸値は高め。
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