まさか自分が被災するとは思っていない。
台風15号の影響で千葉県に大きな被害が出ており、多くの方が被災されています。
まさかライフラインに制限が発生し、生活が脅かされるほどの被害が出るとは予想できなかったでしょう。
備えることの大切さ
僕も昨年、大阪で勤務していた時に台風の被害にあった経験を思い出します。
そのときは一部地域かつ、12時間ほどの停電だったので大きな被害は出ませんでしたが、それでも職場で悪戦苦闘しました。
停電のときに怖い思いをしたのは、明かりが点かないことや携帯のバッテリーがないことではありません。復旧の見通しが立たないことでした。この先何時間、ひょっとしたら何日も復旧しなかったら…、と考えると多くの行動に制限がかかります。
3日後に復旧するとわかっていれば3日分のペースで道具を使えますが、見通しが立たなければ必要最小限しか使うことができません。
電池のストックも豊富にありましたが、それをどれくらいのペースで使ってよいのかがわからないというのは心理的な負担が大きく、判断の難しいところでした。
この経験から、僕はとくかくにも備えることが大切だと気づきました。「非常用の備品は常に買いそろえておく」「台風が来るときはベランダのものを避難させる」「知識をつける」等々、やれることはたくさんあります。
だれも死ぬとは思ってない。
今年は新しい職場で昨年の経験からできることをいろいろしようと行動していたところ、「そこまでする必要はない」「今まで大丈夫だった」といった言葉をよく耳にしました。結果としてはその方々のおっしゃるように大きな被害にはなりませんでしたが、いつだって災害は人間の考える範疇を超えて被害を出します。
災害で亡くなる方は、誰も自分が今回の台風や地震ごときで死ぬとは思っていなかったと思います。今までの経験上大丈夫。そう判断する方もいます。
わかっていたなら、できる範囲で備えたはずです。リスク管理の意識がいかに大切か、例外なくすべての人が考えるべきです。
正常性バイアス
心理学用語ですが、「正常性バイアス」という言葉があります。自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価してしまう特性です。簡単に言うと、自分は大丈夫と思い込む偏見や先入観です。
西日本豪雨において、避難勧告が出された人数に対し、実際に避難所へ避難された方は1%ほどしかいなかったといいます。どんな事情で避難しなかったかは様々だと思いますが、少なからず正常性バイアスが働いた局面があったと予想できます。
自分は大丈夫、そう思ってしまうこと自体は人間の特性として起こりうります。大事なこととして正常性バイアスの存在を認知して、それを踏まえた上で行動を起こすことができるといいですね。
(from SAKURAI)
1993年生まれ、兵庫県神戸市在住。社会福祉士。平成生まれのゆとり世代として、どうせ暮らすならいい世の中にしたいと思う。 口内炎が存在しない世の中にもしたい。
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