社会学的言霊

言霊ってありますよね。言葉には力が宿っていて、言ったことが本当に起きたりするやつです。社会学にも似たような考え方があり、ラベリング理論と呼ばれています。その人の言動や行動といった特性は、その人の内側から来るものではなく、他社からラベリング(レッテル貼り)をされたものに影響されているという理論です。 


オタクというレッテル貼り

もとは社会犯罪学の中で生み出された理論ですが、現代でも同じことが言えます。
身近な例でいうと「アイドルオタク」です。自分ではちょっと好きなアイドルがいただけでそのつもりがなかったとしても、周囲からお前はアイドルオタクだ、とレッテルを貼られることで、自らアイドルオタクたる行動をとるようになります。

特定の名称のみならず、特性についてもラベリング理論は当てはまります。
君は真面目だね、という言葉を受けて、自分は真面目なんだ、真面目であるように振舞うべきなんだ、といった心理が働くことにもなります。 


無意識下でのラベリング

誰しもに当てはまるラベリングとして、性別を挙げます。自分は男だ。自分は女だ。と多くの方が認識しています。そして、無意識のうちに「男ならこうするべき」「女ならこうするべき」といった行動規範に沿った行動をしているのです。

ここで大切だなと思うことは、これらのラベリングがほぼ無意識で行われているということです。自分自身の行動に作用しているだけならいいのですが、これを他者にも無意識で当てはめてしまうことで軋轢が生じてしまいます。  

男なら男らしく、女なら女らしく…。それを美徳を感じる感覚は理解できますが、強要することではありません。ジェンダーにも配慮できてません。古い考え方ですね。 話がそれましたが、ラベリング理論はその存在を意識し、慎重に発言することが大切です。


どうせなら良いラベリングを

昨今のニュースでは芸人の不祥事、放火、通り魔と色々ありますが、あまりいい話は聞きません。しかし、社会は個の集合です。社会に対してのレッテル貼りは、やがて個人に影響を与えるかもしれません。どうせなら日本の未来は明るいとか、世界は平和になりつつあるとか、ポジティブなレッテル貼りをしたいものです。




(from SAKURAI)
1993年生まれ、兵庫県神戸市在住。社会福祉士。平成生まれのゆとり世代として、どうせ暮らすならいい世の中にしたいと思う。


ShearOnline

このマガジンは、物事を社会福祉的眼鏡から覗きます。 見る角度が異なれば印象も意味も変わってきます。 我々は、あえて福祉という偏った見方をすることによって、 福祉的アプローチがあるという気付きの価値を振りまきます。 社会の問題に関心を持つ人が増えて欲しいという願い。

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